茶器と美を作る人に聞く〜窯のある場所〜
コラム
2021/09/29
九州には様々な焼物が存在している。佐賀の有田焼や長崎の波佐見焼、福岡の小石原焼など様々。
どれも歴史ある焼物だが、それ以外にも福岡には歴史ある焼物が存在していることをご存知だろうか。
福岡は田川郡で脈々と継がれてきた「上野焼」。この焼物は茶器として作られてきた歴史がある。多彩な色彩の釉薬と薄作りの技術によって、器でありながら芸術品のような美しさを醸し出している。
この「上野焼」を親子3代にわたって守り受け継いできた「庚申窯」の時期3代目、高鶴裕太氏に、窯元についての疑問を尋ねてみたいと思う。
上野焼に限らず、様々な焼物の産地は山間の地域や山の麓にある、という事に気づいた人も多いだろう。商売的に考えると、人が少ない所より人が多い所で商いをしたほうが良さそうに思えるが、なぜ皆一様に山の近くで窯を開いているのだろうか。
「(山の近くに窯を開く)理由は単純で、材料が近くに豊富にあるからです。」
裕太氏曰く、焼物をするには山の近くが1番適しているそうだ。
器の元となる土があり、綺麗な水があり、窯の燃料となる木がある。昔ながらのやり方で、土から粘土を作り薪をくべるとなると山の近くが良さそうだ。
現在は技術の発展によって、薪窯ではなくガス窯や電気窯などがあったり粘土を作る業者があったりして町中でも焼物をしている所があるが、歴史と伝統を守り継いでいく為に今もなお山の麓で焼物をしているのだろう。
今も昔も精神統一や修行の場として山が登場してきたが、職人技術を磨く為の修行の場としても山の近くは適しているのかもしれない。
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