
こんにちは。ninatte九州事務局のちまきです。
こちらは前回に引き続き、ZINEフェス福岡の初参加レポートとなります。
(※作家さんたちのブース・作品のお写真は、許可を得て掲載しております。)
Part2のテーマはこちら。
余韻にずっと酔わされる、
強烈な世界観を持つ作家さんたち
各ブースの前を通りかかると、「こんにちは〜」と声をかけていただくこともちらほら。
祭りに立ち並ぶ屋台に心が躍るのと同様に、居るだけでわくわくする空気感があります。
「立ち止まったら、買わないといけない雰囲気になるのでは…?」と、事前にninatte九州メンバーの言葉を受けておりましたが、筆者的にはまったくそんなことはありませんでした。
名刺だけでも気軽にいただける、アットホームな雰囲気です。ですが当然、お話を聞くと購入したくはなります…!(基本的に現金支払いなので、現金の用意はしっかりしておきましょう)

ここでしか出会えない人、ここでしか出会えないものでいっぱいの空間。
列の合間を楽しく歩いていると、不思議な声かけが耳に入りました。
「ロマンチックな宇宙ゴミ、こしらえました~」
立ち止まるしかない。
思わず「なんて?」と無礼な返答をしてしまいつつ、出品者さん(以下、地球電報群さん)のお話を伺うことに。

「大気圏を超えて燃え尽きそびれて地球まで届いてしまったラブレターをまとめました」
そう説明していただいたのは、『TOO MUCH ROMANTIC』という文庫サイズの作品。表紙の近未来感に、強く興味をそそられました。
さらには「このラブレターはあなた宛てかもしれません」とのことで、そういうことでしたらと購入。大気圏を超えても燃え尽きないほどの、想いのこもったラブレター…!そんなの受け取らないわけにはいきません。
そして先着順でついてくるという『タイムトラベラーからの手紙』もいただき、「やばい、なんか歴史のはざまにいる感じがする…」という高揚感までゲット。
「こちらは告白への想いを綴ったものです。想いが強すぎて走り出してしまうバージョンもあります」とご紹介いただいたのは、疾走するZINE『凸』。

(『凸(車輪付きver.)』)
こちらもまた、文庫サイズの作品です。
地球電報群さんワールドに完全に楽しくなっていた私は、走り出してしまうバージョンも追加で購入しました。

文庫に車輪が付いています
その後、地球電報群さんの作品を拝読したのですが、その世界観にぐんぐん惹き込まれ…
ユーモラスで小気味いい、しかし時おり胸が苦しくなるような繊細かつ大胆な文章。そしてオチも秀逸!巡り合えてよかったと心から思える一冊でした。
燃え尽きなかったラブレターはどんな内容なのか。なぜこのZINEは疾走するに至ったのか。ぜひその目で確かめていただきたいです。
続いてご紹介するのは、こちらのブース。
きらきらスタイリッシュな雰囲気が素敵で、つい足を止めました。

サンプルの漫画を拝読すると、まず目を惹かれるのは独特であたたかさのある色彩。
「リソグラフ印刷という特殊な印刷方法で、漫画を自作しています」
版画のように1色ずつ色を重ねて刷っていく印刷方法のようです。紙の上での色の重なりや、ランダムなズレ・掠れが大変可愛らしい!

参考:作者の藤れれれさんによる『これから爆発的に流行る リソグラフとZINE』https://note.com/rerere_fuji02/n/n709fce06b261
印刷が醸す雰囲気が、漫画『屑の方舟』の世界観にマッチしていて、とても素敵です。
購入し拝読しましたが、SFで近未来的でありながらもノスタルジックな空気に心を掴まれました。暗い宇宙の中なのに、眩しい。かつ、静かでどこか落ち着く。この唯一無二の空気感をぜひ体感していただきたい。
また、漫画の制作エピソードをまとめた冊子『RISOGRAPH ZINE MAKING』は、「なぜかこっちのほうが売れてるんです(笑)」とのこと。リソグラフ印刷やZINEの制作に興味のある方が、たくさんおられるのですね。
そしてなんと、藤れれれさんはフリーのアニメーター兼イラストレーターとして活動しながら、
『DRUNK on PAGES』として東京でZINEイベントを主催されているのだそうです。

よくよく読むと、『クリエイター集団』との記載が……!集団!
しかしブースに立っておられたのは、藤さんお一人。
そこで「普段は何人くらいで活動されているんですか?」とお聞きすると、
「あ、一人です。クリエイター集団って書いてたら、かっこいいかなと思って…」
おちゃめすぎませんか。隣で作品を見ていた方々も吹き出していました。お一人でも勿論かっこいいです。
また、『DRUNK on PAGES』では、リソグラフ印刷のカレンダーも販売中。会場では午前中に売り切れてしまうほどの反響…!

おしゃれな色合いに、かすれやズレが可愛い!シンプルかつユニークなデザインで、藤さんのセンスが光っていて素敵なカレンダーです。
現在はA4サイズのポスター型、B6卓上カレンダー、システム手帳リフィルとして展開中だそう。
DRUNK on PAGESのオンラインストアよりお求めいただけます。
そして、藤さんのクリエイター・イベンターとしての活動は、noteでも拝見することができます。記事の最後にURLを掲載していますので、藤さんについて、ZINEについて、ZINEイベントについて知りたい方はぜひチェックしてみてくださいね。

購入したトートバックに、ゲットした作品たちを入れて帰りました。
Part2は以上となります。
『作家さんのお話や熱意を直接聞くことができるのは対面の強み』だと、頭では理解しておりましたが、『その場で世界観を目の当たりにすることができる』というところまでは知りえませんでした。それを体感できたのが、ZINEフェス福岡での一番の収穫のような気もします。
お二人に出会った時のことや、受けた衝撃を事務局メンバーに語っていると、「ちまきさんは、当分その余韻を楽しんでそうだねぇ」と言われました。
たしかに。でもそういえば、『余韻』ってどういう意味なんだろう。
調べました。
「余」:残る、余る
「韻」:音、響き
音が消えたあとも、なお耳に残り続ける響きのことをいうそうです。
まさしく…!と膝を打ちました。福岡国際会議場を出て10日が経過した今も、創りてさんの世界観に触れたことによる衝撃は余韻となって、ずっと頭の中で響き渡っています。
好きな言葉まで増えるなんて。ZINEフェス、恐るべし……
~Part3に続く~
・地球電報群
Instagram:https://www.instagram.com/earthtelegrams/
・藤れれれ
Instagram:https://www.instagram.com/rerere_fuji02/
note:https://note.com/rerere_fuji02
BOOTH:https://rererefuji.booth.pm/
・DRUNK on PAGES
オンラインストア:https://drunk-on-pages.stores.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/drunk_on_pages/
note:https://note.com/dapper_zebra5934
この記事の執筆者
空前絶後のおせんべいブームが到来中。
ファンク・ハウスミュージックと、宇宙を感じるものが好き。



