
こんにちは。ninatte九州事務局のちまきです。
こちらは前回に引き続き、ZINEフェス福岡の初参加レポートとなります。
(※作家さんたちのブース・作品のお写真は、許可を得て掲載しております。)
Part3のテーマはこちら。
好きをとことん突き詰めて、
感性を超発揮する作家さんたち
筆者が会場に到着したのは15時頃。開始して4時間は経過していたというのに、ブースとブースのあいだには人が混みあっていました。
そんな中で、ひと際目を引くブースが…!

レトロポップな可愛いイラストが、たくさん並べられています!
創りてのpatokonさんは、熊本を拠点とするビジュアルストーリーテラー・クリエイター。主にzineやTシャツに絵を描いたり、コミック、映画、モンスター、そして「怪奇」について書いたり、時々教えたりもしているのだそう。
なるほど。たくさんの好きなものを突き詰めて、その掛け算で、こんなに素敵なブースができあがるのですね。イラストの独特の風合いと雰囲気がぐっときて、一つ一つじっくり眺めたくなります。
しかしブースの周囲が混雑していたこともあり、筆者の感性に特にビビッと響いた作品をバタバタと購入。(ゆとりがあれば後からもう一度リピートすることもできるので、会場へは時間の余裕を持って行くのをおすすめします)

「君がこれを見る時、どのキャラクターに一番共感するか知りたいな」
——『いつか娘に見てもらいたい 80年代映画13選』
この一文だけで、購入できてよかったと思いました。
また、13選といいつつ、「この映画が気に入ったなら、こういうのもおすすめだよ」と各作品に2作ずつの追加紹介もされていて、13選に留まらない映画愛を強く感じます。それに家族愛にもあふれていて、とても微笑ましく、心が温まります。
気になる映画をたくさん知ることができたので、筆者もぜひ視聴したいと思います。
『うちゅうハムスターもりお』も大変可愛らしい作品でした。読後は、愛らしいもりおが頭の中をふよふよ浮いているような不思議な気分になります。また、裏面に英語表記があるので、英語の勉強にもなるのでおすすめですよ!
続いてはこちらのブース。
『落とし物採集家』という、聞き慣れない単語に足が止まりました。
落とし物の5・7・5…?落とし物のストーリー…?

サンプルを拝読すると、落とし物の写真とともに掲載されているのは、確かに5・7・5と短い物語。そして面白い。創りてさん(以下小柳さん)は落とし物を拾っているわけではなく、落とし物が落とされるに至った背後のストーリーを拾っている、ということなのだろうか…?
何から訊ねたらよいのか分からないながらも、「どんなきっかけでこの活動を?」と声を掛けてみる。
「コロナで一人の時間が増えて、散歩をすることが増えたんです。そしたら、落とし物って結構多いんですよ。それで見てたら、書きたくなって」
元々なにかのストーリーを考えたり、執筆を嗜んでおられたのではなく、落とし物を見ているときに、突然、物語を創りたくなったのだそうです。

小柳さんがこれまでに培った感性とクリエイティビティによって、落とし物がただの落とし物ではなくなり、その軌跡が冊子になったのですね。
それからは落とし物を見る度に、小柳さんはこの落とし物にどんなストーリーを見出すのだろうと、想いを馳せるようになりました。
落とし物たちのストーリーは、小柳さんのInstagramでもチェックできます。ぜひご覧になってみてください。
気付けば、あっという間に閉会時間の16時を過ぎようという時刻。
最後に駆け込みで伺ったのは、ポップでファンシーで可愛らしいブース。

(※開場してすぐの時のブースのお写真)
きらきらのアクアリウムをぎゅっと形にしたような、とても可愛い作品たち。
ハンドメイドブランド「jerryfish store」のクラゲさんによる、海の生き物たちの独特のファンシーさ…!眩しい!筆者はすぐに心を奪われました。

透明感とレトロな雰囲気が融合していて、y2kっぽい世界観が可愛い。その中でぴかぴかと揺れるキャッチーなキャラクターは、ついキーホルダーを揺らして眺めてしまいます。
クラゲさんはなんと、キャラクターデザインから、キーホルダー内の細かなパーツまで、すべて手作りで制作されているのだそう。
光の粒々の数から、小さな表情まで、すべてが世界にひとつだけ。そう思うと、感動も愛着もひとしおです。

ただよう「クラゲ」、かわいい。
出版物のみでなく、キーホルダーまで購入することができるなんて!と、ほくほくで会場をあとにしました。
※今回のZINEフェスの副題は、『ZINEとクラフトマーケット』。出版物だけでなく、ハンドメイド作品の出展もOKです!

Part3、そして、コラム「ZINEフェス福岡いってみた」は以上となります。
たった一時間の滞在でしたが、集中して練り歩いていたのでへろへろになりました。(休憩用の椅子なども設けられていたので、皆さんが行かれる際にはきちんと時間に余裕をもって、休みながら回るのがおすすめです。)
それでも、本当に楽しかった!
感性に触れて、視点を得る。
感性とは、「これまでの人生で蓄積された経験から弾き出される、自分軸のジャッジの感覚」だと聞いたことがあります。ここでいうジャッジとは、ただ評価を下すというニュアンスよりは、「どのような視点で受け取って、判断するか」という意味合いのような気がします。
映画のおすすめ。落とし物の物語。踊る海の生き物たち…。
個性的な作家さんたちによって、思い思いに発揮されて形を成した「感性」。
それらは、ZINEフェスのようなイベントを通じて、様々な人の「感性」にまた影響していくのだろうな、と感じました。
例えば、何気なく観た映画から、大切な人の価値観を想像するようになるのかも。
なんてことのない落とし物にも、物語が宿るさまを空想するようになるのかも。
広大な海を見て、かわいい生物たちが踊ったり、音楽を聴いていたりするのを思い浮かべるようになるのかも。
ZINEフェスに行ってみれば、そこでしか触れられない「感性」に出会えそうな気がしてきませんか?
出会えたらきっと、日常の中に新しい視点が増えて、見える世界がもっともっと広がるかもしれません。

次は開場の11時から行きたい…!
・patokon
Instagram:https://www.instagram.com/patokonart/
HP:https://patokon.com/
ZINE SHOP (BOOTH):https://patokon.booth.pm/
・落とし物採集家 小柳知穂
Instagram:https://www.instagram.com/cosxtanx_otoshimono/
・クラゲ
Instagram:https://www.instagram.com/poplie7/
X:https://x.com/osakana0o
BASE:https://jellyfish0.base.shop/
この記事の執筆者
空前絶後のおせんべいブームが到来中。
ファンク・ハウスミュージックと、宇宙を感じるものが好き。



