
こんにちは!ninatte九州事務局のあいです。
この体験記では、東京でZINE作りワークショップ(以下WSと表記します)の活動をされているvery very slow magazineの“ろみさん”と、
福岡のリソグラフ印刷所、“Y'ALL WALL”の店主である瀬口さんとの企画であったZINE作りWSの様子をお届けしています!
2回目となる今回は11/1に行われたWSの実際の体験記です。

WS開催前の、前準備
ーCanva proを登録しておいてください。
なんと今回のWSでは、近年デザイン制作ツールとして広まっているCanvaを使用するそう。Canvaを使ったことのない筆者。短時間でこのようなツールを習得できるんだろうか?不安を感じながらも、30日間の無料体験にとりあえず登録。
ー制作日記が届き、目を通す

ろみさんのZINE制作日記付きWSを申し込んだ筆者。WS開催前に自宅へ届き、目を通します。ろみさんが初めてのZINEを作る過程が日記のように書かれてありました。こんなことを考えてZINEを作られたんだな、悩んだことや迷ったことなどがそのまま書かれていて、少しだけZINEを近くに感じることができました。
ーWS開催前に、確認のメールが入る。「当日使いたいネームや当日の質問があればどうぞ」
「ZINEに載せたい、福岡の好きな場所や人を2つ程度考えて来てください」
こんなに丁寧な事前確認のあるWS、今まで受けたことがない!ネームや当日ZINEに載せたいことなどを考える。
11/1 WS当日
WS当日は、まるで今からバイトの面接に行くかのような緊張感でした。
ついにZINEが作れる…という喜びと、コラムちゃんと書けるかな…という若干の不安感を抱きつつ家を出ました。
12:15-福岡城を望む印刷所、Y’ALL WALLへ到着

今回の開催地であるY'ALL WALL(ヨールウォール)は、福岡城が望める場所にあります。
筆者は少し早めに着き、ここの2階にある以前に何度か足を運んだこともある文房具屋、Linde CARTONNAGEへ。
実はこちら、今回お世話になるY’ALL WALLの、瀬口さんが営むお店。文房具好きなら長時間滞在は間違いなし!のこのお店。本当に可愛いものがたくさんあるんです!!
また瀬口さんの解説がとても丁寧で、ついいろいろと聞いてみたくなります。

万年筆やインク、紙類。1階のY’ALL W’ALLで印刷されたリソグラフで刷られた紙ものも目にとまります。
13:00-WS開始
時間になり、1階のリソグラフ印刷所、Y’ALL WALLへ。スマホで作るのかな…?と若干の疑問を持っていた筆者でしたが、そんなことはなく、みんな自分のPCを持ってきていました。持ってきてよかった。そしてみんな話しやすそうで、楽しい時間になりそう。

WS開催前の店内(写真はろみさん提供)

製本の方法を説明するろみさん
ろみさんは東京でZINEを作り、販売だけでなくZINEのWSも度々開催されている方。very very slow magazineというオンラインショップを持ち活動されています。
13:30-製本体験:裁断、ホチキス留め
まず、今回使用するテキストを製本するところから始まりました。表紙の色を選び、紙を裁断し、ページ数に注意しながらまとめ、真ん中をホチキス留めするという中綴じ製本を行います。製本方法の説明を受けた後、1人1人自分用のテキストを製本。
ろみさんが使っている、福岡のブナぶな考房というお店で購入したという製本グッズをお借りします。
手作り感あふれる、なんと素敵な工具達だろう!

裁断:大型かみきりくんを使用

折り目つけ:おりめ正くんを使用

ホチキス留め:汎用なかとじさんを使用
カッターで紙を切るシャッという音、ガチャン、ガチャンとホチキスで綴る音。自分で製本したものを手にとると、感動もひとしおです。

製本されたテキスト
13:40-みんなで何をテーマにするか?を発表
今回のWSでは、みんなでそれぞれA6サイズ1ページまたは2ページのデータを制作し、それをA3の用紙に配置し印刷し、A6の8ページのZINEを2冊作ります。
イメージしづらい方は紙1枚にみんなで作ったデータを貼り付け、それを折って冊子にするということだけご理解いただければと思います。
そして、ペンネームと、何をテーマにするかを発表します。事前に考えてきている、福岡の好きな場所や人について。
筆者は、一昨日六本松を散歩した時のことを書こうと、それを発表しました。表紙のタイトルをみんなで決定します。
「私たちの好きな福岡」
最高です。
13:50-製本したてのテキストを用いて、ろみさんの説明を聞く

自分で製本したテキストを用いて、ろみさんがお話をしてくれます。ZINEとは?というところから始まり、
紙のことや製本のこと、またリソグラフ印刷のこと、Canva proを用いたデータ制作方法についてお話ししてくれました。(リソグラフ印刷、Canva proを用いたデータ制作方法については、次回のWS体験記③で触れさせていただきます。)
15:30-紙面の制作開始
私にとっては初めてのCanva。操作方法から手探りでした。
A6 1ページをなんとか仕上げます。
今回は2色刷りなので色ごとに2つに分けてPDFでデータ保存。濃く出したい面と、薄く出したい面に分けます。
(リソグラフ印刷では色ごとにデータ分けが必要。色はもちろん自由ですが、分かりやすくするために今回は濃い、薄い、で分けました)

左:濃い(後のAQUAで印刷される部分) 右:薄い(後のFLUOR PINKで印刷される部分)
なんともデザイナーとは言い難い紙面ですが、初めてのCanva。どうかお許しください。
16:30-ろみさんがデータ収集、A3用紙1枚のデータにしてくれる

今回はA3用紙1枚にA6データを8枚置き、真ん中に切れ込みをいれてぱたぱたと折る製本方法をとっています。(リソグラフ印刷はすぐに乾かずその場で製本できないので、後日自分達で製本できるように、この製本方法をとってくれたようです。)
ろみさんが10人分の収集したデータを、のせる順番や向き、色に注意しながらまとめてくれました。
全てのデータを時間内に順番や向きを間違えずに載せるのは、大変そうでした。
17:30-リソグラフについての説明・印刷

Y’ALL WALLの店主、瀬口さんによるリソグラフ印刷の説明が始まりました。こんな機械を用いて印刷するんだなぁ、と実際の機械を用いながらの説明はとても頭に残ります。(リソグラフ印刷については体験記③で詳しく!)Y’ALL WALLでは、現在13色の色を取り扱っており、この中から2色ずつ選びます。

今回はAQUA×FLUOR PINKで1冊TEAL GREEN×REDで1冊制作することになりました。
どのような仕上がりになるのかな…どきどき…
Y’ALL WALLには現在1色刷りのみできる機械と、2色同時刷りできる機械があります。
今回はその両方を見せていただけました。
●1色刷りをして、その紙で2色目を上から刷るパターン

1色目が印刷された紙がでます。(色はFLUOR PINK) インクを入れ替え、もう一度その紙を印刷機に通し、2色目を印刷します。

2色目(AQUA)が1回目印刷された紙の上に印刷されました。
●2色同時に印刷するパターン

印刷機に2つのインキのドラムを設置し、RED×TEAL GREENが一回の印刷ででてきました。
印刷機から自分が作ったものが出てくる瞬間は、本当に嬉しいものです。
オンラインで発注して、印刷製本された冊子が届くのはとても便利だけれど、この感動はなかなかないよなぁ、と思いました。
ついに完成…!!!!!!!

みんなで作ったZINE。なんと可愛いことかと思いました。インクの滲みや重なりがそのまま表現されています。インクの色で雰囲気は異なりますが、紙色でも雰囲気は異なります。今回はろみさんが白とオレンジの紙を用意してくれました。
紙選び、色選び、製本方法、まだまだ可能性は無限大なZINE作り✕リソグラフ印刷。とってもとっても楽しそう。
後日ろみさんがメールで製本方法を送ってくれるそうです。2色使用しているので3日くらい待って製本したほうがいいかな?と思いながら鞄へ。(インクの乾く日数はベタ面の広さや紙質にもよりますが色数+1日くらいみたほうがいいそうです。)
みんなで作った私にとって初めてのZINE。
1日で作れるなんて、驚きです。
18:50-解散

20時頃の飛行機で東京へ帰るというろみさん。急いで駅へ。遠くからありがとうございました!!また開催してほしい…!!
WSのために東京からはるばるきていただいたろみさん、
印刷所を貸していただきリソグラフの説明、印刷をしてくれたY’ALL W’ALLの瀬口さん、
お二人ともとても優しい。聞いたらなんでも答えてくれます。分からないことはなんでも聞いて大丈夫。
またの開催を楽しみに。 そしてZINE作りの最初の1歩をふみだせた自分、おめでとう。
後日製本
ろみさんから送られてきた製本方法を参考に、紙の真ん中に切れ込みを入れ、ぱたぱたと折り冊子にします。


上からみるとこのような形。しっかりと冊子になっています。

ちなみに筆者のページ。うん、また次への課題がたくさんできた(笑)。(濃:AQUA 薄:FLUOR PINK)
今回はWSの1日の流れ、ZINE完成までをお伝えさせていただきました。次回のWS体験記③では、リソグラフ印刷のことやCanva proを用いた印刷時のデータ制作方法についてお伝えできたらと思っています。
ご拝読いただきありがとうございました。
今回ご紹介させていただいた人・お店
ーろみさんー
東京でZINEを作り、販売、またZINEのWSも度々開催。
very very slow magazineというオンラインショップを持ち活動する。
●very very slow magazine
Instagram @veryveryslowmagazine
Online shop https://veryveryslowmagazine.stores.jp/
現在、2026年4月に開催されるZINEフェス福岡への伴走プログラムも企画中。
興味のある方はこちらをクリック
ー瀬口さんー
福岡大手門で文房具店Linde CARTONNAGE、リソグラフ印刷所であるY’ALL WALLを営む。
福岡で度々開催されているアートブックイベント、NEWGRAPHY Fukuoka Art Book Expo(Instagram @newgraphy_artbook)の運営にも携わる。
●Linde CARTONNAGE
Instagram @linde_cartonnage
Online shop https://linde-cartonnage.stores.jp/
●Y’ALL WALL
Instagram @yallwall_printing
HP https://yallwall.jp/
WS体験記①、2025年9月開催のZINEフェス福岡の様子はこちら
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