
こんにちは。ninatte九州事務局のちまきです。
今回は、ninatte九州のライターとして、「創りてさんの元へ取材に行くということ」について、日々考えていることをまとめてみました。
半年後、一年後にはまた変わっているかもしれませんが、記録としてここに記してみようと思います。
生き方を聞くということ
普通に生きていて、初対面の方から『生き方を聞くということ』はあまりないと思います。
まして私は、初めましての人とすぐに打ち解けられるタイプではないので、なおさらそんな機会は滅多にありません。
だから取材に臨むと、「貴重な経験をしている…!」と必ず感じます。
この仕事をさせてもらえているから、こんな体験ができているのだと。 それはもう、ひしひしと。
当日はできるかぎりの準備をして向かいますので、あらかじめ考えておくことは色々とあるんです。
失礼のないように、あれを聞いて、これを聞いて…
こういう会話の投げかけ方を意識して…こう答えられた場合にはこう話を広げて……。
そうやって、頭の中で流れを組み立てては何度もイメージトレーニングをするのですが、
やっぱり、いざ取材が始まると、私は今自分に起こっている現象の『貴重さ』に、圧倒されてしまいます。
そもそも、すれ違うこともない人のほうが圧倒的に多いこの世界です。そんな中で、自分の手で道を切り開いてきた方々に取材という「対話」する縁をいただいたことが、なんだか物凄く尊いことのように思えるのです。
「はい、なんでも聞いてね」と手を広げてくれた取材先さんと相対すると、準備した質問もすっとばして、個人的に聞いてみたい質問が我先にと溢れそうになります。

カメラマンさんのお写真を撮るという、中々ない体験
(出張カメラマン なぎたまフォトさん)
「記事には書かないでね」
取材が進むうちに、物理的な意味ではない「パーソナルスペース」のようなものが、和らいでいくように思えることもあります。
「これはオフレコでね!」
「こんな話、恥ずかしいんだけど…」
「実はあの時、大きな声じゃ言えないけど、こんなふうに思ってて…」
多くの人々へ発信するための取材なのに、「誰にも言わないでね」と、内緒話を打ち明けてもらえるようなことも、少なくない頻度であるのです。
質問をしているのは自分自身なのに、「そんなに聞かせていただいちゃって、いいんですか…!?」と、自然と私まで、相槌が小声になっていくこともしばしば。記事には使用できないエピソードだとしても、その信頼が本当に嬉しくなります。
反対に、何を話すべきか、どう話すべきか。きっと言葉を慎重に選んでいらっしゃるんだろうな、と感じることもあります。そういう時もまた、真剣に向かい合って受け答えをしてくださっているのだと、光栄な気持ちになります。

「作業風景のお写真を、いいですか?」と聞くと、ノリノリで実演してくださる
(成縁組 前成美さん)
ジャン・パウルは、「人生は一冊の書物に似ている」と、言ったそうです。
そうなのかもしれません。
でも現時点では、 人の一生は書物ほど理路整然とはしておらず、起承転結もはっきりとはしていないように私は思います。
そもそも文章じゃない何か、色彩豊かなものだったり、はたまた朴訥とした自然のようだったり。
三幕構成なんてガン無視、サプライズ忍者もびっくりの、思いもよらない出会いがあったりもする。本人次第で、教科書が次のページから飛び出す絵本に変わることだってある。
十人十色って素敵だな。自分を生きようとする力ってかっこいいな。そう思わなかった取材日はありません。
鏡のような記事を
取材が終わったあとは、「あっ、あれ聞いてなかった…!」「これも聞きたかったのに!」と頭を抱えることにもなります。
その後に録音を聞いてみて、「ここもっと広げられたかも…」「ここ話を遮っちゃってる(泣)」と…
取材後のほくほく感の次には、毎回 反省と後悔が必ず押し寄せます。
執筆作業も難しいです。取材時に受けた感動を文章に落とし込むのに、ひたすら四苦八苦します。
これは私だけではないかもしれませんが、“すとん”とくる言葉が浮かばないことがとにかく悔しい! もっと他にあるはずなのに、どう表現してもしっくりこない。これが本当にもどかしいのです。

取材用のカメラが入っている鞄
記事が出来上がるころには、自分の力不足に打ちひしがれます。
私だけ、なのかしら…。
不安になって、ライター史愛さんにお尋ねしてみました。
「取材を見立て通りに運べたこと?ないです!」
「書き終わったあとの気持ち…。これで伝わるかなぁ、って思うかなぁ」
みんな、多少なりとも思い通りにはいかない部分があるようです。
それでも、私たちは、私たちの書いた記事が好きです。
パーソナルなお話をしてくださる素敵な創りてさんの物語から、いろんな方に、いろんな刺激を受けてもらえたらと考えています。 私たちと同じように。
その人の今を映し出す、鏡のような記事を書けたら最高だ。そんなふうに思いながら、これからもPCをカタカタしていきます。
★ninatte九州では、九州の創りてさんへ取材をするライター仲間を募集しています。
この記事の執筆者
空前絶後のおせんべいブームが到来中。
ファンク・ハウスミュージックと、宇宙を感じるものが好き。


