脇役から主役へ「四角い箱で、世界を整える」 増田桐箱店求人



伝統を最先端へと編み直す、増田桐箱店の飽くなき挑戦
福岡県古賀市。創業90余年の歴史を刻む「増田桐箱店」の門を叩くと、そこには木の香りと共に、伝統工芸のイメージを覆すような活気と熱気が満ちています。
「桐箱は、かつては贈答品を引き立てる『脇役』でした。でも、これからは箱そのものが主役になり、生活に寄り添う『道具』として愛される存在でありたい」。
そう語るのは、3代目代表取締役、藤井博文さん。弱冠19歳で家業を継ぐ決意をし、縮小する市場の中で「木でつくる四角い箱日本一」という壮大なビジョンを掲げ、同社を世界へと押し上げた若きリーダーです。
今回は、変化を恐れず、伝統を「最先端の需要」へとアップデートし続ける増田桐箱店の物語と、共に未来を創る仲間に向けたメッセージをお届けします。
19歳、台湾からの帰還。予期せぬ「襷(たすき)」の重み

藤井さんの物語は、唐突に始まりました。
1990年代後半、台湾へ留学中だった19歳の藤井さんのもとへ、2代目である祖父から一本の電話が入ります。それは、「会社を継いでほしい」という、事実上の経営への招集でした。
「当時は会社の経営状態も決して良くはなく、桐箱づくりの技術も知識もゼロ。正直、戸惑いや不安しかなかった」と藤井さんは振り返ります。しかし、代々続く暖簾を守る適任者は他におらず、20歳を前にして、彼はその重い襷を肩にかけることを決意したのです。
入社からわずか5年、24歳の若さで代表取締役に就任。待っていたのは、生活様式の変化により、日本酒や茶道具、高級菓子などの「贈答用桐箱」の需要が目に見えて縮小していく、厳しい現実でした。
「脇役」から「主役」へ。日常に溶け込む桐の力
それまでの桐箱業界は、中身の商品に合わせた箱を作る「待ち」の姿勢が一般的でした。しかし、藤井さんはその現状を疑うことから始めます。
「中身を引き立てるための装飾や、捨てられてしまうパッケージとしての箱ではなく、箱そのものが価値を持ち、生活の中で使い続けられる製品を作れないか」。
その柔軟な発想の転換から生まれたのが、今や同社の代名詞とも言える「米びつ」です。桐の持つ優れた調湿性、防虫効果を最大限に活かし、現代のキッチンに馴染む洗練されたデザインへと昇華。中身が見える透明な蓋、一合を計りやすい工夫など、使い手の「日常」を徹底的に見つめた結果、この商品は品切れが続くほどの大ヒットとなり、古賀市のふるさと納税返礼品としても圧倒的な支持を得るようになりました。

さらに、調湿機能を活かした「ブックコンテナ」や「シューズボックス」など、桐の可能性を次々と用品化。
「箱を中身の商品に合わせるのではなく、市場が求める『箱の機能』に形を与えていく。それが僕たちの戦い方でした」。
20代の社長と、ベテラン職人たちの葛藤
斬新な方向性を打ち出す若い社長に対し、現場の職人たちが最初から手放しで賛成したわけではありません。長年、特定の専門領域で箱を作ってきた自負がある職人たちにとって、「日常使いの道具」へのシフトは、自分たちの仕事を卑下するものに映ったのかもしれません。

そこで藤井社長は、粘り強く、自らの哲学を職人一人ひとりに伝え続けました。
『贈り物の一部として作ってきた誇りはそのままに、これからは、自分たちが作った箱そのものが、お客さんの生活を豊かにする“主役”になる商品も手掛けていこう』。
誰かの日常に求められるものづくり。その実感が、職人たちの誇りを再び燃え立たせました。
現在、増田桐箱店の製品は国内に留まらず、全体の約4割がヨーロッパを中心とした海外へと出荷されています。海外では、米びつとしてだけでなく、ナッツや穀物の保存、さらにはインテリアの一部として、日本の桐箱が「KIRIHACO」というブランドで新たな価値を見出されているのです。
「伝統とは、その時代の最先端であるべきもの」

藤井社長の言葉には、伝統工芸に携わる者としての覚悟が宿っています。
「伝統とは、変わらずに受け継ぐだけの『伝承』ではありません。本来、伝統工芸品とは、その時代に最も必要とされてきた最先端の商品だったはずです。もしそれが衰退しているのなら、それは時代の変化に応えきれていないということ。だからこそ、僕たちは変化を好みます」。
その「変化」の一環として、今年4月、一般社団法人ハコタスを設立。就労支援A型・B型事業所として、障がいのある方の「働く」を支える取り組みを開始しました。
「桐箱の組み立てや検品、梱包といった軽微な作業をハコタスのメンバーに分担してもらうことで、工場の職人たちは、職人にしかできない高度な技術を要する工程に集中できるようになりました。これは単なる社会貢献ではなく、ものづくりのステータス性を高め、職人の誇りを守るための戦略でもあります」。

現在、約50名の社員のうち、工場内の職人は40名。驚くべきことに、その約半数は女性です。
「桐は軽くて運びやすい。女性ならではの感性が活きるコスメボックスなども、これからの重要な柱になります」と、藤井社長はダイバーシティの推進にも余念がありません。
求む、未来を「箱」の中に描ける仲間

増田桐箱店が今、求めているのは、社長の右腕として、木の箱の新たな可能性を切り拓く「企画営業職」と、自らの手で形を生み出す「職人」です。
「僕たちが目指すのは、『桐箱日本一』の先にある『木でつくる四角い箱日本一』。箱を箱として届けるだけでなく、いつかはその箱にふさわしい中身の商品まで自社で手掛けたい。そんな野望を共に面白がれる人を待っています」。
求めるのは、既存の「当たり前」を疑い、変化を生み出す発想力。そして、学生だけでなく、一度社会を経験し「やっぱり、ものづくりの世界で生きていきたい」と願う、熱意ある大人のインターンシップも大歓迎だと言います。
「町工場を、ただ待つだけの場所にしない。常に攻め続け、新しい需要を創り出す集団でありたい」。
藤井博文というリーダーと共に、四角い箱の可能性を世界へと広げる。その挑戦の先に、あなた自身の「新しい生き方」も見えてくるはずです。
紡ぎての添え書き(編集後記)
藤井社長の言葉にある「変化を好む」という姿勢は、同日取材に協力をいただいた取締役営業部長 中村さん(「創りての歩み」にて記事公開)の穏やかな笑顔、そして工場ですれ違う若手女性職人たちの生き生きとした表情からも感じ取ることができました。
伝統を守りながら、今の時代に合った形へと進化し続ける増田桐箱店。 「四角い箱」が持つ可能性は、これからまだまだ広がっていきそうです。
その未来に少しでも心が動いたなら、どうぞ気軽に扉を叩いてみてください。
募集要項
| 給与 | 165,000円〜200,000円 ※当社規定により決定 |
|---|---|
| 昇給・賞与 | 昇給年1回、業績により決算賞与あり |
| 雇用形態 | 正社員 【期間の定め】 なし |
| 試用期間 | 1ヶ月 |
| 職種 | ①企画営業職 ②職人 |
| 仕事内容 | ①桐箱販売 ②木工職人(桐箱づくり) |
| 応募条件 | ①実務経験2年以上 要普通自動車免許 Microsoft Office系必須 ②未経験者可・資格不問 |
| 勤務地 | 福岡県古賀市青柳町100-1 |
| アクセス | JR鹿児島本線 古賀前駅下車 |
| 就業時間 | 8:30~17:00(残業あり) 残業は概ね月20時間ほど |
| 休日・休暇 | 休日/土(1月~8月の毎月2回)・日・祝、夏期休暇、年末年始 |
| 福利厚生 | 社会保険等各種保険完備 |
| 手当・補助 | 交通費支給(上限2万円) |
この「求人」の募集者

増田桐箱店
当社は創業1929年で人間国宝の作品を入れる桐箱や 国立博物館向けの桐箱からお酒などのギフトの箱まで幅広く製造しております。



