“つくる喜び”から“伝える喜び”へ ブリコラージュフラワー『babysbreath 』

「心から好きと思えることを続けていたら、いつの間にかここまで来ていました」

そうほほえみながら話すのは、ご自宅や出張レッスンでブリコラージュフラワーを教えている、『babysbreath(ベビーズブレス)』・樋口すみれさん。

ご自宅兼教室のお庭は、まるでおとぎ話の世界のよう。

どこを切り取っても美しく、訪れた人全員がワクワクするお庭。

細かな部分にもセンス良く植栽がされており、“季節の移ろい”や“それぞれの植物の機嫌”と会話しながらお庭をつくっているのが伝わってくる。

そんな素敵なお庭で、樋口さんにお話しを伺った。

植物の世界へ

「最初はお花にそんなに興味がなかったんですよ。元々は庭もシンプルで、こんなに植物と触れ合うことになるとは自分でも思っていなかったんです」

現在は植物に囲まれた生活を送っている樋口さんからこんな意外な言葉が。

何がきっかけで、“植物の世界”へ足を踏み入れることになったのだろうか。

「きっかけはコロナ期間に外出ができないことから、自然と庭に出て過ごす時間が増えたことでした。そこから徐々に関心が高まりましたね」

そんな庭との時間を過ごす中で、お友達が“寄せ植え教室に通っている”ということをふと思い出し、「私も一緒に行ってみたい」と、とある教室に行ったのがブリコラージュフラワーとの出会いだった。

「“アトリエ華もみじ”という教室なんですけど、そこで見たブリコラージュフラワーが本当に可愛くって、凄く衝撃を受けました。それで初めて行ったその日に『通います!』と決めて。それから自分でもつくるようになりました」

ブリコラージュフラワーとは、ギャザリングという手法を用いた寄せ植えで 、根鉢の土を多めに落として、植物同士を密に作り込むことで、まるで生きた花束のような作品に仕上げることができる。

「最初は手が慣れないかもしれませんが、ゆっくりお伝えしていきます。涼しい時期は失敗が少なく、はじめるにはおススメの季節です。例えばビオラをつかったものだと春先まで長く楽しめます」

流れに身を任せ、辿り着いた場所

ブリコラージュフラワー作品を庭に並べるようになると、周囲から嬉しい反応が返ってくるようになったという。

「我が家を訪れる方が私の作品を凄く褒めてくれて、『うちにもつくってくれない?』と声をかけてくれました。最初は自分が楽しいし、癒されるからブリコラージュフラワーをやっていたんですけど、そうやって周りの人も癒すことが出来るんだと思うとすごく嬉しくて。周りの人が癒される姿を見てまた私も癒されるという。そんな感覚を得た時に、“これを仕事にできたらいいな”となんとなく思いました」

植物を通して人との縁が拡がり始め、さらに植物にのめり込むようになった樋口さん。

それまでシンプルだったお庭に外構工事というかたちで手を入れたことがきっかけで、また新たな繋がりが。

「外構工事をお願いしたところの奥様もブリコラージュフラワーをやっていて、私に『教えてもらえない?』とのお話をくださったんです。そこで初めて出張レッスンという形で“教える”ということをしました。その後は、庭にアトリエ小屋をつくったので、自宅で教室を始める形になりました。『自分で教室をやろう!』と思って始めたのではなく、周りから求められて、なんとなくここまで来ちゃったという感じです。流れに乗ってしまったなという感覚で」

自分の“好き”をひたすらに続けていたら、周りの反応も見える景色も徐々に変わっていった。自分の幸せが周囲の人々の幸せに繋がりはじめた瞬間だった。

“植物”で拡がる人の輪

レッスンを始めるにあたり『babysbreath』と名づけ、それまでも自身の作品投稿として使っていたインスタグラムのアイコンを変えて本格的に発信を始めた。

「babysbreathって“かすみ草”の英名なんです。もともと小花が好きで、特にかすみ草は可憐で主張しすぎないけど、存在感があって大好きな花。そして私の娘の名前が“かすみ”なので、babysbreathと名づけました」

日々インスタグラムでの発信を続け、徐々に多くの人にみられるようになり、レッスンを受けてくれる方々にも変化が。

「最初はお友達や口コミだけでレッスンに来てくださる方が多かったんですけど、少しずつ『インスタグラムを見て来ました』という方が増えましたね。生徒さんは初めてブリコラージュフラワーを習うという方が多くて、皆さん初対面の方ばかりですけどすぐに打ち解けています。そんな様子を見ていると、植物という共通項で繋がるというのはすごいなと思いますね。和気あいあいと良い空気感で楽しんでもらっています。生徒さんたちが楽しそうに『癒されました』と言って帰る様子を見ると“レッスンをやってよかったな”と思いますね」

喜びに応えるために

それまで自分の楽しみとしてやっていたブリコラージュフラワー。だが講師としてレッスンをするようになり、責任に伴い大変な面も増えたという。

「自己満足で終わるだけじゃなくなったから、準備などは大変だなと思いますね。でも生徒さんにも私と同じように楽しんでもらいたいから、そこは手を抜かずに頑張っています。そういうこだわりって、やはり伝わるものだと思うので。ただ、花も生き物なのでレッスンで使いたいと思っている花がその時期にない、なんていうこともよくあるんです。そんな時は心配で胃が痛くなったりも(笑)。とはいえ個人でやっている教室なので、あまり肩ひじ張らずにマイペースにさせてもらっています」

より良いレッスンにするために、今後はご自身の技術を更に磨いていきたいとお話しする樋口さん。

生徒さんが花と触れ合う時の楽しそうな表情や嬉しい言葉が未来への原動力になっている。

「生徒さんから『癒されました』と言って頂けるのが一番嬉しいですね。そういう言葉を聞くと“次も頑張って可愛いお花を探してこよう”とか、“自分ももっと上手くなりたいな”と思いますね」

レッスンについて

「自分の子供たちとの時間も大事にしたいので、今後も流れに身を任せる形で教室はやっていきたいなと思っています。程よくゆる~くですね。レッスンの定員は一応3名と決めているのですが、プライベートレッスンがいいという方がいらっしゃれば相談に応じますし、定員が埋まっているけどどうしてもこの日がいい等の要望があれば臨機応変に対応します。ですので、なんでも気軽に相談してもらえたら嬉しいです」

季節に合わせた植物でブリコラージュフラワーレッスンを行っている『babysbreath』。

暑い時期や寒い時期はご自宅の中で快適にレッスンを受けることができる心遣いも嬉しい教室です(春・秋の過ごしやすい時期はお庭のアトリエでレッスンを受けることができます)。

レッスンの詳細はインスタグラム@babysbreath_gardenよりご確認ください。

申し込み・お問い合わせは『応募する』ボタンよりお気軽にお問合せください。

ホームページ:https://tol-app.jp/s/babysbreath

この記事の執筆者

ninatte事務所

ninatte九州の運営事務局です。銭湯跡地、旧梅乃湯を拠点に活動中♨事務局ライター数名で日々記事を更新しています。

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ブリコラージュフラワー講師樋口すみれ

『babysbreath(ベビーズブレス)』
自宅や出張レッスンで開催されるブリコラージュフラワー教室。

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